「収納が足りない家」にならないために。新築で失敗しない収納計画の考え方

2025年06月18日

「収納が足りない家」にならないために

新築を建てるにあたり、「収納」については、どれくらい考えていますか?

「収納は後で家具を買えばいい」
「ウォークインクローゼットがあれば安心」

実は多くの方が陥る落とし穴です。

せっかく新築一戸建てを建てるのに、収納計画をしっかり立てなかったせいで、住んでから「物があふれて片づかない」「なんだか生活感が出てしまう」と後悔するケースはとても多いんです。

今回は、新築住宅を計画するうえでの“収納の基本的な考え方”と、注意しておきたいポイントをわかりやすくご紹介します。

なぜ収納が大事なのか?|生活導線との関係

収納は、ただ「物をしまう場所」ではありません。
家の中の“動線設計”と深く関わっており、「どこに」「何を」「どのくらい」収納するかによって、暮らしの快適さが大きく変わります。

例えば、「パントリー(食品庫)」をキッチンのすぐ隣に配置すれば、買い置きの食品やキッチン家電をスムーズに出し入れできます。
あるいは「玄関収納(シューズクローク)」を広めに取っておけば、靴だけでなくベビーカーやアウトドア用品などもすっきり収まります。

このように、「生活の流れ」に合わせて収納場所を決めることがポイントです。
設計段階でこの視点を取り入れると、後から収納家具を増やす必要もなく、部屋を広く使えます。

 収納量の目安は「床面積の10〜15%」

では、どれくらいの収納が必要か?

一般的に、収納スペースの適正量は延床面積(家全体の床面積)の約10〜15%と言われています。
たとえば延床面積が100㎡(約30坪)の家であれば、10㎡〜15㎡(約3〜4.5坪)の収納を確保するとバランスが良いとされています。

もちろん家族構成やライフスタイルによって適正量は異なりますが、「思ったより多めに設計する」くらいがちょうどよいのが実感です。

 “見せる収納”と“隠す収納”を使い分けよう

新築で失敗しない収納計画の考え方

最近では、インテリアにこだわる方を中心に「見せる収納」を採用する方も増えています。
例えば、オープン棚に本や観葉植物をディスプレイしたり、キッチンに“見せるパントリー”を設けて瓶や容器を並べるなど。

ただし、全てを見せると生活感が丸出しになってしまうこともありますのでそこは要注意。
日用品や書類、衣類など“生活感が出やすい物”は、しっかり“隠す収納”で対応したほうがスッキリ暮らせます。

「見せる収納」と「隠す収納」を上手に使い分けることが、暮らしの美しさと利便性を両立させるコツです。

どうされたいかの希望を住宅メーカーさんにお伝えされると良いと思います。

将来を見据えた“可変性”のある収納を

収納設計では「今」だけでなく「将来」も見据えることが重要です。

たとえば、お子さんが成長すると必要な収納物も変わります。
最初はおもちゃ、次に学用品、やがて部活動の道具や衣類…と増えていきます。

そこで、**“可動棚”や“可変式のクローゼット”**を採用することで、ライフステージに応じて収納の中身や形を柔軟に変えられるようにしておくと便利です。

見落としがちな収納ポイント

収納計画では、以下のような見落としがちなポイントにも注意しましょう。

  • 季節物の収納:クリスマスツリーや扇風機、冬用布団など、年に一度しか使わないモノの保管場所は?
  • 掃除道具の収納:掃除機、モップ、洗剤類などの収納場所は動線上にあるか?
  • 書類や細かい物:薬箱、説明書、工具、文房具…意外に多く、分類しにくい物の置き場所は?

これらを設計段階で一つずつシミュレーションしておくと、暮らしやすさが格段に上がります。

収納計画は、建築の「おまけ」ではありません。
収納は生活を支える“基礎の一部”です。

目に見えるオシャレさも大事ですが、見えない部分こそが暮らしの質を左右する、まさに収納の本質です。

後悔しない新築を建てるために、間取りだけでなく「収納の設計」も、ぜひ最初からじっくり考えてみられることをオススメします。