みざわ建設【高台に建つ平屋二世帯住宅 見学レポート】〈雲南市大東町〉
PIECE広報の三島です。
今回はみざわ建設さんの「高台に建つ平屋二世帯住宅」
見学レポートをお届けします!
「高台に建つ平屋二世帯住宅」
今回は突撃レポート企画として、先月完成見学会を開催された「みざわ建設」さんの「高台に建つ平屋二世帯住宅」にお邪魔しました。
今年2月にインタビューで紹介した際に、完成を予告していたお宅がついに完成したということで、ワクワクドキドキしながら見学させていただきました!
場所は雲南市大東町、山に囲まれた田園風景が続く道を進みふと目線を上にすると、自然に溶け込みながらも明らかに存在感を放つ家が目に入ります。
山を背に佇む姿がなんとも凛として美しいこと。
自然素材で心地良い快適な住まいを目指し、山陰の気候風土に合った高性能住宅を提供する「みざわ建設」さん。一体どんなお家なのか?設計された三澤将太さんに案内をしていただきながら、こだわりポイントを聞きました!
見晴らしの良い高台から、のどかな田園風景を望む
―敷地が高台にあったことから、周りからの見え方や建物から景色を望むことをイメージし「高台に水平のラインを出したい」と、すぐにこの形が浮かんだという三澤さん。外観のデザインについて伺いました。
「見てわかるように、とにかくロケーションが良いので。この立地ならではの魅力を最大限に活かしたいと思いました。周辺に馴染むよう、屋根は緑のガルバリウム鋼板とし外壁は質感も良い左官仕上げとなっています。」と三澤さん。
―お施主様のご要望は、二世帯住宅。
敷地が広く東西に長いことから、横長の平屋をベースにお互いのプライバシーを保つよう中央の玄関を挟み、親世帯と子世帯を左右に分けたつくりとなっています。
建物の端から端まである深く屋根のかかったアプローチは、駐車場から玄関まで雨よけの通路としてはもちろん、椅子に腰かけ夕涼みや、外遊びにと多様な用途で活用されることが想像できます。
南面はどの開口部からも辺りを一望でき、心ゆくまで豊かな自然と季節の移ろいを感じられることでしょう。
そして、この日は雨が降っていたことで気づいたのですが、屋根に雨樋(あまどい)が無いんです。
「あえて樋はつけず、雨の落ちる風情を感じられるようにしました。軒下に小石を敷き詰めた下に排水を設けています。ソファーに座って、雨降る外を眺めるっていうのも良いですよ。」(三澤さん)
―雨音を愉しむ、ゆったりと時を過ごすことを許してくれる住まい。
山陰のネガティブな要素として捉えやすい「雨」も、みざわ建設さんの手にかかれば心地良い日常となるのです。
「ああ、また雨か。」なんて思う回数も減るんじゃないでしょうか?
山陰の気候風土に合わせ、機能性と趣を備える演出が素晴らしいですね。
デティールにこだわった美的センスが憎い!無駄のない上品な空間がお出迎え
―玄関を入ると、正面には真四角の窓。ここが「みざわ建設」マジック!
説明を聞いて納得の美しさです。
「玄関ホールには、中庭のシンボルツリーを眺められるピクチャーウィンドウを設けています。FIX窓の枠が見えないよう壁の取り合いを工夫し、無駄な線を出さないように意識することで、景色を美しく取り込むことができます。土間にはアクセントに真鍮の目地を斜めに入れました。」(三澤さん)
―思わず、窓と壁の取り合いを何度も覗き込んでしまいました。そして、そこから再び玄関を振り返ると、玄関ホールの上品な空間に惚れ惚れするのです。窓だけでなく手洗いや土間に入った斜め真鍮ライン、土間の立ち上がりの納まりなど、その一つ一つが繊細に役目を果たしているんです。
「なんで斜めにしたんですか?」なんて質問に「いや、何となく斜めにしてみたら良かった。」と三澤さん。自然とハイセンスさが出ちゃうところが憎いですね。これには初っ端なからやられました!まだ玄関ですよ!?
(今回、撮影できなかった土間の写真は「みざわ建設」さんHPに掲載されています。シンボルツリーは秋に植樹予定)
完全分離ではなく互いの存在感が感じられる心地良い距離感
―さて、いよいよ居住スペースへ。
玄関から左が親世帯、ゆったりと落ち着きのある和モダンな雰囲気です。
ご親戚が集まれるようにと、壁に戸を引き込めばダイニングキッチンと和室が繋がり、広々とした空間となります。
障子上や床の間の開口部の取り方や、天井の水平ラインの繋がりにもこだわりが感じられ、どこを見てもスッキリと美しかったです。
「暮らし方のご要望を聞きながら、それに沿った利便性のある動線を意識した間取りとなっています。
また、両世帯のプライバシーは守りつつも壁の上部は閉ざさず、あえて空間につながりを持たせています。
声や生活音、気配を感じ取ることで安心感もあり、万が一何かあった時も危険を察知できるということも考慮しました。」と三澤さん。
―二世帯で暮らす。
完全分離ではなく、お互いが心地良い距離感を持って一つ屋根の下に暮らせることを実現したつくりとなっていました。
細部にわたってこだわり尽くされた意図あるデザイン
―三澤さんのこだわりはとにかく色々なところにありまして。
私が「良いなぁ」って思うところが、全て三澤さんの狙い通りのものでして(笑)。続いて子世帯の空間へ向かおうと思うと、一直線に抜ける廊下がまあ気持ちいい!キレイ!
「廊下から洗面に真っすぐ抜ける、この直線の通りは、絶対こうしたくて。」と三澤さん。
窓の効果で、さらに奥行き感を感じられるといいます。ちょっとこのポイントに気づけて嬉しかったり。
設計士さんの意図を、体感しながら解説をきくというのはたまらなく贅沢で貴重な機会なのです。
―また、全体的に建物の高さを抑え低重心に設計したそうで、天井高は2,200mmということですが、天井の設えにもこだわりがありました。
「建物をできるだけ低くしたかったのですが、中は化粧垂木が全面に見える勾配天井にしたことで、圧迫感を感じません。美しい木の質感でぬくもりが感じられるよう意匠性にもこだわっています。」(三澤さん)
―ライティングにもこだわり、天井に直付けはせずペンダントライトか、壁に取り付けるなど、光の持つ特性を理解し、壁のテクスチャーがどのように浮かび上がるかまで計算しておられるのだそうです。
また、陽の光の差し込みにより壁にできる影のラインがくっきり美しいのは、やはり窓枠の線の表現によるものだそうで、何から何まで緻密に考えられた集合体にため息しか出ません。
―さて、いかがだったでしょうか?実はこの紹介は、1/3程度でしょうか(笑)。
かなり長い時間、あまりの居心地の良さと、キュンポイントの連続に、なかなかこの場を離れることができませんで、「もう帰ってくれ」と思われていただんじゃないかな~?なんて、心配をしておりますが。
例えるならば、上品な口当たりと芳醇な香りに包みこまれる「美味しい日本酒」に巡り合ったような感動といいましょうか。
本当に実際見られると、この表現に共感して頂けるのではないかなと思います。
そして、最後に「このお家って何LDKっていうんですか?」
この質問を投げかけたのですが、バッサリ頭から足まで斬られました!
「その質問が一番困るんですよね(笑)。リビングは何帖ですか?とかも回答に困るんです。
一般的なグリッドで空間設計を考えていないので、何帖の部屋をつくるということは意識していません。必要な広さを確保して、通れる幅の通路を設けるという感じです。
どういう暮らしをするために、居心地よい感覚に適したスペースを設けるか。大事なのは、形式的な大きさではないんです。」(三澤さん)
こういうことなんですよね、私の愚問がお恥ずかしい。
住む人の最善と、建築家の表現力。見事にどちらもバランスよく考えられた家づくりをされている「みざわ建設」さん。
毎回全身全霊で向かうため愛着が湧くそうで、今回も娘を嫁に出す気持ちでお引渡しされたのだそうです。
まだまだ細部にわたってご紹介したいですが、今回はここまで。
もっとよく知りたい!という方は、「みざわ建設」さんのホームページへどうぞ。
こちらの「高台に建つ平屋二世帯住宅」の施工写真に加え、他にも今までの実例とお施主様の声やコンセプトムービーなど、たくさんアップされています。また、Instagramやfacebookでもタイムリーな情報を発信されていますので、ぜひご覧ください。
三澤さん、ご協力いただきありがとうございました。
■みざわ建設「高台に建つ平屋二世帯住宅」ルームツアー動画 こちら
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