【インタビュー】作事屋 大石代表にお聞きしました|暮らしの小さな困りごとから、本格的な建築まで、町の「作事」を一身に

網戸の張り替え、荷物の移動、住まいのリフォーム、新築、店舗改修、そして本格的な茶室づくりまで。
松江市を拠点に活動する「作事屋」は、暮らしの身近な相談から専門性の高い建築まで、幅広く手掛ける工務店です。
社名にある「作事(さくじ)」とは、古くから建築や修理を指す言葉。
一つひとつの現場に向き合い、職人の手で丁寧に形にしていく。
その言葉に込めた想い、建築の道に進んだきっかけ、そして「町の工務店」として大切にしていることについて、作事屋の大石代表にお話を伺いました。
「作事」という言葉に込めた、職人としての想い
「作事屋」という社名には、大石代表の建築に対する姿勢が込められています。
「作事」という言葉を知ったのは、以前勤めていた工務店で神社や文化財に関わっていた頃のこと。
建築や修理を意味する古い言葉でありながら、どこか職人の手仕事や、現場を大切にする響きを感じます。
「建築という言葉よりも、一つひとつを丁寧に作り上げていく感じがして、とても気に入りました」
今では、昔からのお客さまからの相談に加え、「作事屋さんにお願いしたい」と指名で声がかかることも増えているそうです。
ただ家を建てる、直すだけではない。
暮らしの中で必要とされることに、きちんと応えていく。
その姿勢が、「作事屋」という名前に表れています。
大石代表にとって、建築は子どもの頃から身近な存在でした。
お父さまは型枠大工。
幼い頃から現場や作業場について行き、働く姿をそばで見てきたといいます。
その後、米子高専の建築科へ進学し、卒業後は京都の工務店で修行。
地元の設計事務所などを経て、約15年前に独立しました。
建築業界に身を置いて40年。
木造住宅だけでなく、コンクリート造や鉄骨造にも関わってきた経験が、現在の幅広い対応力につながっています。

作事屋さんのオフィスにてお話をお聞きしました。張りのある天井が気持ち良い空間でした。
網戸一枚から露天風呂まで。
町の工務店としてできること
作事屋が目指しているのは、「町の工務店」です。
近隣の方からの網戸の張り替えであったり、ちょっとした荷物の移動。
住まいの部分リフォームやフルリノベーションから、新築住宅まで相談内容はとても幅広いものです。
面白いケースとして、住宅だけでなく、ホテルの露天風呂や客室の改修、マンションの一室に本格的な茶室をつくるような特殊な依頼も手掛けてきました。
「どこに相談したらいいか分からないことでも、まずは話してもらえたらと思っています」
この一言に、作事屋らしさがあります。
大きな工事だけを請けるのではなく、暮らしの中の小さな困りごとにも耳を傾ける。
一方で、専門性が求められる建築にも対応できる。
その両方を持っていることが、作事屋の強みです。
新築も リフォームも 高い品質で仕事をされています
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
「安全」「機能性」「美観」を大切にする家づくり
作事屋が家づくりで大切にしているのは、「安全」「機能性」「美観」です。
リフォームでは、まず事前の調査と計画を丁寧に行います。
今ある建物の状態を見極め、家事動線や使いやすさも含めて、暮らしに合う形を考えていきます。
また、完成後のイメージを共有するために、3Dパースを使った提案も行っています。
「こうなると思っていたのに違った」というズレをなくすため、打ち合わせには時間をかけることもあります。
相談から契約まで、3ヶ月から半年ほどかけてじっくり進めるケースも珍しくありません。
早く決めることより、納得して進めること。
作事屋の家づくりには、そんな誠実さがあります。
さらに、大石代表が「いいな」と感じたものを取り入れる柔軟さも魅力です。
その一つが、オーストラリア製の「ユーロ物置」。
現場で見かけて惹かれたことをきっかけに、現在は販売店としても取り扱っています。
デザイン性が高く、ガレージのような雰囲気を好む方にも人気があるそうです。
住まいに必要なものを整えるだけでなく、少し楽しくなる提案もできる。
そんな余白も、作事屋らしいところです。
知る人ぞ知るデザイン性の高い「ユーロ物置」
作事屋では、オーストラリア生まれの「ユーロ物置」も取り扱っています。きっかけは、代表が現場で見かけて「これはいいな」と感じたこと。
一般的な物置とは少し違い、ガレージのような雰囲気や、住まいの外観に馴染むデザイン性が魅力で、自転車やアウトドア用品、ガーデニング道具の収納はもちろん、家の外まわりに少し楽しさを加えたい方にも向いています。
暮らしに必要なものを整えるだけでなく、見た目や使い方に少し遊び心を持たせる。
そんな提案ができるところにも、作事屋らしさがあります。
ふらりと相談できる地域に開かれた場所へ
今後、大石代表が考えているのは、事務所の1階を誰でも気軽に立ち寄れる相談スペースにすることです。
「ちょっとお茶を飲みに来たついでに、リフォームのことを聞いてみる」
そんな程よい距離感の場所をつくりたいと話します。
大きな相談でなくてもいい。
すぐに工事をする予定がなくてもいい。
地域の人が、住まいのことで困ったときに思い出せる場所であること。
それが、作事屋の目指す「町の工務店」の姿なのかもしれません。
代表は、建築家・菊竹清訓氏の建築にも深い関心を持っています。
控えめでありながら、どこか都会的なセンスを感じる松江の街並み。
その土地に根ざしながら、確かな技術で暮らしを支える。
作事屋の家づくりには、松江という町へのまなざしも感じられました。





シェア
ツイート
シェア